LittleBear Communication Disorder's

発達障害者の趣味と考察と日記を適当に

私は人生の主人公です?

人間の持っている一番大きな欲求は「自分が生きられること」だろう。

だから、自殺する人も一筋縄ではいかない。自殺というのは自分が助かるためにすることである。

ある意味では、自分が生きられるために自殺するのである。

この世が地獄であの世が天国だと思えば、自殺して「あの世で生きよう」と思うかもしれない。

というわけで、人間の持っている一番大きな欲求は「自分が生きられること」である。

自己実現とか自分が人生の主役になって生きるんだ!とか言う人がいる。声優や俳優の養成所や自衛隊とか、何か人を呼び込むための広告の文句として「人生の主人公」という言葉が言われている。

その逆は何かというと、サラリーマンとか「社会の歯車」である。聞くところによると、彼らは誰にも顧みられずに詰まらない人生を生きて死んでいくらしい。なので結婚して子供を持たなければ幸福になれないとか。

けれど、実感としては、スーパーのレジ打ちの人や、マンションのリフォーム業者の人なんかは、常識がありそうで、死んだ魚のような目で生きているようには見えない。私には人の表情を読む能力が欠如しているので、そう見えないだけなのかもしれないが。

引きこもりについて、聞くところでは、引きこもることは寂しく無いのだという。寧ろ、社会において、孤立することが寂しいのだと。なので、引きこもりもみんながみんな死にそうな目をしているわけでは無いだろう。

人生の主人公というと、アイドルだろうか。芸能人とか。アイドルの致死率は高いような気がするのは気のせいだろうか。有名人ほど、麻薬に溺れるなど、転落していく人が目に付く。そういう人が主人公なんだろうか。

人生には勝ち組と負け組がいて、勝ち組だけが主人公なんだろうか。

私はそうは思わない。自分が死んだら終わりという意味において、この世は独我論的だが、他己的に生きられる理由は、この世が存在すると信じるからである。歴史に名を刻みたいと欲するのは、この世が意識の消滅と共に消え去るとは信じていない人たちだろう。

幸福な人は他者の存在を信じられる、と私は仮定する。その場合、自分が主人公だとは思わないだろう。複数の登場人物の視点で描かれる物語・・・群像劇というのがあるが、他人の存在を信じる人にとって、現実はそういうものだと認識されるだろう。

私は正常な認識は、その上で自分を優先することだと思う。

主人公なんて概念は物語を語る上での便宜的な視点に過ぎない。自分の人生においては、自分の視点以外にあり得ないので、そういう概念をわざわざ持ち出す必要性は無い。

敢えて言うとすれば、主人公という概念は逆輸入された価値観である。物語では主人公が恵まれていることが好まれるので、主人公というのは優遇されているものなんだな・・・と思うわけである。主人公補正があるから死なないとか。そういう物語的な都合としての主人公という価値観を輸入してきて、自分主人公になるわ。死なないわ。というのは中二病である。

どんな生き方をしていても、その人の意識はその人のものである。

主人公になりたい、というのは現状に不満があるので何かしら恵まれたいと言っているのと同義だろう。じゃあ、そう言えば良いのである。というより、そう言い直してみた方が良いと私は思う。そのように明確化しなければ、主人公という曖昧な言葉に引きずられて、結局、私何がしたかったの・・・ということになりかねない。

多分、若い子にはそういう子が多いと思う。職業がキャラクターみたいになっているので、どういうコスプレをしたいか、みたいな話になっている気がする。そこでRPGをしながら俺つえーで無双プレイをするのが主人公だ、と。

それよりは、自分が、どういう社会の歯車になりたいのか/なるのか、と考えた方が建設的だと思う。

生活というのは日常の連続であって、大抵のことはルーティンワークである。並の生活なら、それで十分幸せに暮らせるだろう。寧ろ、中東などの紛争地帯で何時なんどき戦争に巻き込まれて死ぬかもしれないという黒ひげ危機一髪みたいな生活をする方が人間的にはキツイ。中東へ行かなくても、いつリストラされるか/潰れるか分からないような雇用形態で将来に不安を抱えながら生活することは精神的にキツイだろう。そういう現実の方はかなり身近なものだ。けれど、それは一部の主人公に保証されるべきものではなくて、国民全員に保障されているべき生存権なり人権なりの話である。

発達障害者なんかは特に日常が自分の予想の範囲内にあることを願っている。

来年も当たり前のように自分が平和に暮らせるだろう、という安心感があることが最も我々一人一人にとって重要なことだと思う。まぁ、そのために他人に先んじて主人公補正の取得をしておきたいのかもしれないが・・・・。