カラフル(映画) アニメ レビュー
真という少年の再生の物語、と言ったところ。
真は自殺するが、天使プラプラに猶予を与えられる。その間悩み続ける。
真の自殺の原因は、母親の不倫と、ひろか、という片思いの少女の援助交際。
そして孤立。
唱子というキョドキョドした女の子が出てくる。
いじめられて、いじめが終わり、今は透明な存在。真と同類だという。
真はそうしたアンモラルな現実に耐えきれず自殺する。
ひろかは欲しいものが沢山あって援助交際をした。
けれど、そんな自分は頭がオカシイ、という。手に絵の具を持っていて、真の絵を汚そうとしていた。
黒の絵の具だった。時々、何かを壊したくなる。二日に一度は死にたくなる。
真はひろかに頭がオカシイのは普通だという。みんなそんなもんだ、と。
世の中には色んなカラーがあって多様なのだから、それでいいと。
ただ死ぬのはダメだ。
真の母は、不倫していた。祖母とうまくいかず、見送った後だった。
ストレスに耐えきれず過ちを犯した。真は許せないと思い、母を糾弾し、反発していた。
そんな折に父が真を釣りに誘った。母のことを話し、母さんもう限界だ、と言った。
早乙女という友達と出かけるようになり、話て真の鬱屈した気持ちも解けてきたみたいだ。
勉強して同じ高校に行くのだと将来に努力するようになった。
ある日、話があると言われて食卓へ行くと、母が学校のパンフレットを真へ渡した。
考えてみて欲しいと。けれど真は早乙女と同じ学校に行き、普通の生活がしたいと泣いて訴えた。
みんな分かってくれた。
食事をとる。母の料理はそれまで一口も口にしなかった。けれど、今日は食べた。
母はそのことが嬉しくて涙した。
早乙女と自転車に乗っていく。上着は母が買ってきたやつだった。
許す気になったみたい。
唱子に絵を描くよ、と言って屋上へ行くと、プラプラがいた。試練成功おつかれさま。
プラプラは試練を越えられなかった魂だという。真は言った。僕を僕が殺したことが罪。
ずっと描いてこなかった絵の中に天使を描いた。
…
良い映画だったと思う。弱者に焦点を当てている。ひろかを受容する気になった前進は大きい。
ちょっと悟ってたけど。真の器はかなりでかく見えました…。
援助交際も不倫も汚い行為だが、何れも自身の傷を埋めるための代償行為だったのではないか。
その仕方ない罪を彼は許した。
さて、自死は罪である、という話だったのだが、私はそうは思わない。