以前から漫画家は字が上手だな、と思っており、それは何故かと言えば、彼らはイラストをやるからであろう。
美術とは要は望む形にモノの形を整えること、であり、美術家はそうした行為を修練するために上手い。故に文字も又綺麗になる。
逆に言うと、そうした「形」を意識しなければ、文字が下手だということになる。学者にはそのきらい(傾向)がある。彼らは思考を写す媒体としてノートを取るので、形には拘らない。己が読めれば良いのである。
文字が上手い人というのは「形」を重視しているので、逆に言えば、文章の内容に割く思考の割合は少ないのかもしれない。つまり、見やすく上手いノートを書く人というのは、授業内容に対しては没入してはいない可能性がある。
ノートを取る行為、というか文章を書く行為は面白い。それはPCでブログを書くことでは無く、筆記で紙に書く行為である。
紙に字を書く行為は面白いのである。それをITで代用しようという考えがあるが、タイピングは私には筆記よりも味気ないように感じられる。
無論、タイピング自体の面白さ、というものもあるし、事思案するために書くのならばタイピングの方が優れている、と思う。それは思考スピードと筆記の時間差が短いほど思考の流れを疎外しないためだろう。