無料動画ということでまとまった時間があったのでオトナ帝国の逆襲を視聴した。感想としては人が死なないところ、勧善懲悪でないところ、ボス達の気持ちに同情できるところ等が好きです。
・悪かった点
高所から落下死を暗示するようなシーンが連続したこと。車両のカーチェイスで明らかに人が死ぬだろうシーンが連続したこと。階段を上がるシーンでしんのすけが瀕死になったところ。
辺りが悪かったかな。ほんとだったら死んでるわ、っていうシーンが連続したところ。
・悪かったところ2
子どもたちがどうなっていたのか描かれていなかったこと、大人たちが大人帝国でどうしていたのか描かれていなかったところ。風間くんたちはカーチェイス後捕らえられてどう過ごしていたかという描写が無い。高所で追い詰められるあまり意味の無いシーンを長々とするよりは捕らえられた大人や子供、風間くんたちがどうしていたかを描く方が良かっただろう。
・悪かったところ3
大人が懐かしさに我を忘れるのは良いが性格が悪い不良になっているところ。子供には子供の良識があるので、一概に子供に戻る=わがまま放題をする性格になる、わけではない。作品では大人が悪人になってしまうのでボス達の思惑と合っていない。
・良かった点
ボスやヒロインの性格が良かったこと。序盤の万博の辺りのやり取りが一番面白かった。ボスやその女がしんのすけたちを家に招き、譲歩する辺りも新しくて良い。そして、大人達を傀儡にする「匂い」が、しんのすけたちの必死のやり取りを見た昭和街に住む人々の民意のような形で決まっていて、それが無くなって計画が消滅する、という戦いの終わり方も良いと思う。
まぁ、それで21世紀に行きたくないから飛び降りますわ、って言ってしかしやっぱ死にたくないですわ、ってのも良かった。というか、飛び降りてたらクレヨンしんちゃんじゃない。懐かしい感じの曲が色々聴けてよかったと思う。
最近、デパートに行ったんだけど、吹き抜けがあって、手すりも胸の辺りの高さしか無くて、下を見ると結構高くて、その気になったら飛び降りて恐らく死ぬかもしれないな…とか思った。それはひゅっとなるだろう。
人間は結構すぐに死ぬ程度の耐久性しかないので、如何に状況を避けるか、というのが生き残るのに必要な能力だと思う。包丁だって、カッターでもやろうと思えば死ぬことが出来る。ベルトとかもそうである。紐があれば死ねるし、タオルでも死ねるということは誰かが証明している…。それだけ死ねる案件が身近にゴロゴロしているのに今まで生きてるのが不思議なくらいである。
死を思うと死ねなくなる…よって死を思え、みたいな。
死ぬのが怖いから生きるしかない、という人も私は多いと思っている。死と恐怖を天秤にかけて怖いから死ねない。だから安楽死等を求める。私は別に安楽死制度はあっても良いと思う。それほどもう死にたいって人は多くでないんじゃないかと思う。死と恐怖は最後の天秤だけど、そこに至るには現実の圧力に耐えきれない何かがあったりするのかもしれない。だから、その圧力から逃れたい、という希求がまずあるように思える。その逃れる手段の一つが自死というだけで。
現実には複数の手段があることも多いのでは無いかと思う。安楽死制度を作り申請することでその理由を明らかにする。それにより自死以外の解決の方法が幾つか提案される、という風になるだろう。そして、そうした客観的に合理的で本人の救われるような解決方法が示されれば、今度はその方法と死を天秤にかけることが出来る。
少なくともケースワーカーのような専門家に匙を投げることで代替的な妙案が湧いてくることもあるだろうと思う。