LittleBear Communication Disorder's

発達障害者の適当な日々の考察と日記

火垂るの墓の感想…セイタ「これ初回のループだから」

あの夏、俺は死んだ…

セイタ「今回は俺の初回のループを回想して見てみよう」

火垂るの墓~戦争に巻き込まれて死んだらループしたから今度は全員生き残るシュタインズゲートを目指してみる~』

 

流石に初回のループでは節子を死なせてしまった。母さんも、父さんも死んでしまった。そして、全てを失った俺は失意の中、死んだはずだった。だけど、何故かあの日の前に戻ってしまう。なんとかして別の誰も死なない世界線に俺は行く。

 

というループものの物語にすれば、セイタを更生させたしっくりくる物語を目指せるはず!と風鈴は思った。

 

…ここでオバサンと和解するルートを模索しなければ、節子は死ぬ。

…ここで母さんを引き止めなければ、母さんは死ぬ。

…ここで野菜を盗んだら、フルボッコにされる。

 

くっ、今回も詰みなのか…。

兄ちゃん、なんで蛍すぐ死んでしまうん?

手を握りすぎだ!くそっ、蛍を死なせずに生かすには、どうやって節子に渡せば良いんだっ!

 

やっぱループしないと間違っちゃうと思うんですよね。セイタをREゼロ系主人公ということにするとすっと入ってくるっていうか。やっぱね、全員を救わないと最終的に俺も死ぬっていうことを悟るまでまずループして、最終的には親戚のオバサンも救うことでtrueendに行ける的な…。

 

まぁ、そういう部分がなかったとしたら、火垂るの墓はサバイバル能力の低い主人公がロリ妹と共に焼きだされた場合、という碌でもない話になってしまうわけで…。裸足のゲンとかもループすると良いんじゃないかなぁ…。

 

節子がね…すごくリアルな描写がされていて、だからこそ、セイタのそっちじゃないだろう的な選択がダメ出しされるんでしょうねぇ…。泣き方が色々出てきて、しゃくりあげたり、すすり泣いたり、押し殺したりね。そういう演技って今のアニメであんまり見ないので、声優さん凄いなぁ…とか。

 

というか、セイタもオバサンの家に厄介になる、という選択をすべきだと諭されてるのに、行かないとか、節子のためには土下座でも何でもすべきだと視聴者でも思うのになぁ…というね。

 

最後に、洒落た洋服を着た少女たちがどこからか帰ってきて、レコードを流してって場面があって、その家のそばに節子と暮らした防空壕があってっていう描写があって、それっていうのは、そういう選択をして死んでいってしまった人もいたんだよ、っていうメッセージだと思った。

 

そもそも防空壕を見つけた(普通の)少年たちから見ても、セイタの生活は劣悪なものだった、という描写もあるから、下の下だったのだろうと推測出来ますよね。その中で天真爛漫な節子の陽気な振る舞いと衰弱を見せられて、視聴者的には、すごく無常な感じがする経験をさせられる、って作品かもしれません。

 

その救いの無さみたいなものは、OPの時点で、最初のセイタが俺は19何年に死んだ、という部分の駅の場面で宣言されてますよね。そこから、最初の空襲で「生活物資を埋めて逃げる」という場面とのんびりした着物姿の母親という場面でハイライトになって、後は滑り台ですよね。

 

セイタは実家の焼け出される前の時点では働き者だった感じでしたが…。こう、レールが無いと駄目な感じだったのかなー、と。学校も工場も駄目で、そこから何故か自分が「所属すべき場所」を探そうとしないんですよね。

 

まぁ、そのハイライトの部分と節子が死んで、セイタも恐らく死のうとしている中で、生活水準の高い少女たちが帰ってくるというハイライトの見せ方が人生の光と影を切り取ってますよね。

 

セイタも戦前はそこに居たんですよ。でも戦火で全て失って、地盤沈下して死ぬっていう。あの帰省した少女たちだって、これから火垂るの墓2とかで第三次世界大戦に巻き込まれて、生活力の無さを露呈するかもしれない、という点を暗示してると思うんですよね。

 

要するに「インフラをいきなり奪われると、こうなる人も出てくる」というのを描いた映画かなぁと思ってみても良いかも知れない。原作者がどうしようもない人間だったから云々と言って批判するか、他に見所があるかと言ったら、人生の暗転を描いてると最初から頭の隅に置いて視聴した方が失望は少ないんじゃないかな。

 

実際、「節子というロリ妹を愛でる映画」と言う感じで私は見たいんですが、愛でる兄が間接的に節子を殺しているので、イラッとするんだと思うんですよ。そのイラッとする辺りを緩和するためのラインを引かないと引くとで火垂るの墓を楽しめるかどうかが決まってくるんじゃないかな。

 

「妹をレイプ目にして殺す映画」として見れなくも無い…。その辺りが誰得なのかという批判に繋がると思うわけですよ。大量の蛍を殺傷してカルマが溜まりすぎたせいで死んだとか、色々説はあるでしょうが、まぁ、あれも兄がやらかした尻拭いとして墓を作ってあげてたんだから、節子が死ぬのはちょっと違うかも知れない。節子が殺ったのは最初の一匹だから。

 

まぁ、実際、蚊帳の中を蛍だらけにしようとは私は思わないし、どうやってあんなに捕獲したんだろうと思わなくも無いですが…。やっぱ光っても虫だからね。虫だらけだと思ったら、嫌ですよ、どれだけ幻想的でも。

 

ただ、防空壕で明かりなしに寝るってのは確かに怖いですよね。やっぱセイタに足りなかったのはドアと照明で、ドアを買って設置できれば大分、難易度は緩和したんじゃないですかね。

 

流石に、池の水で食器洗ったり、どこからもってきたのか分からない水を飲んだり、魚や蛙を食べたりしていれば、何かしら病気に掛かって死ぬと思う。特に節子は子どもで免疫も足りないだろうし。

 

やっぱ素直に見ると、セイタが確信犯で節子を放置殺す映画に見えてしまう。金があっても家事能力が無いと詰む、という好例なのかもしれない…。普通は、結構早い時点でこれ死ぬ運命上に今立ってるわ、って気づくし、セイタは気づいてたと思う。

 

その辺が視聴者的にもイラッとするんじゃないかなぁ。今必要なのは盗賊行為じゃなくて「土下座だろ?」っていう。衣食住だろ?っていう。医者のアドバイス防空壕は住むとこじゃないってことだろ。

 

せめて学校に戻れば行き倒れ無かったのかもしれないし。やはり防空壕に浪漫を求めすぎた結果なんじゃないかなぁ…。世界には飛行機に住む人とかも居るし、古来、人間は洞窟に住んでいたと言うし、じゃあ防空壕でもイケるんじゃ無いか、と思うかも知れないが、そこはDIYスキルが必要になるわけで。

 

せめて水道と電気を引いて来ないとなぁ…。あと開けっ放しというのは流石に死ぬ。冬はどうするつもりだったのか…。

 

まぁ、ルート分岐はオバサンと食卓を分けちゃった辺りかな。流石に粗食にはなっても見殺しにはされなかっただろう…と。見間違えかわか分からないが、オバサンも味噌汁、汁だけ飲んでたと思うんですよね。オバサンも昼食、おにぎり無し、雑炊の可能性があったと思うわけですよ。そうなると居候への差別ではなく、本当に家に居るだけのものには、粗食だった可能性もあるのではないか…。

 

で、なくともためらいもなくおかわりを要求するセイタは図太いのでは無かろうか…。皿も洗わないとか。これが恋愛ADVならオバサンの友好度は上がらない。

 

まぁ、あるいは学校で身寄りがない人の行き場を伺ってきたりとかしてれば…と。学校で親身になってくれたオバサンは優しかった。その伝手を頼りにするとか、考えようがあるのに、なぜ防空壕なのか…。

 

まぁ、ループものの最初の主人公と考えれば、駄目な点の一個や二個は普通だけども。何回もループしてやっと悟るわけだし。