LittleBear Communication Disorder's

発達障害者の趣味と考察と日記を適当に

マチネの終わりに

ちょっと酷い衝撃を受けて少しずつしか読めない。二人の絆のすれ違いが、恣意的過ぎるし、全員が裏で糸を引いていたとしか思えない。洋子よ。メール読めよ。捨てんな。意味が分からない。そこで読んどけば誤解も解けて晴れてゴールイン出来たよ。

 

三谷の行動に衝撃を受け、それまで蒔野のことを超理解していた洋子さんはヤケクソで届いた沢山のメールを全てゴミ箱に打ち込む…。悪夢としか思えない。流石に描写が丁寧だっただけに、この展開は強引に過ぎ、違和感全開でキャラ崩壊というべきだろう。

 

文筆家は作品にリアリティを与えなければならない。なぜすれ違いが起きたか丁寧に追っていけばまだ読者の心は物語の音楽的な進展と共に並走出来ただろう。

 

物語の中盤に緩やかにしかし確実に進行していた物語が、突然上空から空襲されて全てを台無しにした感がすごい。起承転結は物語を作る際によく言われる言葉だが、転過ぎる。色々な偶然が重なって微妙なすれ違いを繰り返し、機会を掴むことが出来ない、そのうちに疎遠になってしまうのなら、そこをこそ丁寧に、ジグソーパズルのように全ては錯綜し最後には全てが噛み合い美しい絵を完成させる…そのようであらねばならなかった。この物語においては。

 

自分たちを理性的な人間と考えて憚らないこの二人の登場人物…メインキャストは肝心なところでトンチンカンを起こし、最早自ら誤解しに飛び込んでいってる疑惑すらある。今までの理知的で合理的で正確な思考はどうした?その理性はどこへ行ったんだ?