LittleBear Communication Disorder's

発達障害者の趣味と考察と日記を適当に

アニメ「とらドラ!」感想

とらドラ!を見終えた。

随分前の作品だが評価が高いので見てみたかった。

まぁ、作品としては★3つくらいかな…?群像劇としては良いかもしれない。

主人公が主夫状態で家事の出来ないヒロインをサポートしながら、恋愛の応援をするというもの。主人公の意志が希薄、ヒロインが主人公に依存、ヒロイン側の応援に終始、辺りの問題がある。

 

まず主人公が自我が薄い。後半ヒロインに「好きだ」と言うけど急すぎて、ヒロインが好きだと言ってくれたから好きになった、みたいに見える。またヒロインも宗旨変えが唐突なように見える。

 

で、シチュエーションとしては男と女の立場が逆転している。居候になる家事ダメ不幸娘は男の互換だし、主人公の主夫性と傍観姿勢は完全に女房役…。

 

OPED曲は良曲。後半に行くにつれ主人公が半端で頭悪い(勉強はできる)という設定が矛盾していく。ヒロインも頭良いらしい。頭いいのに日常生活では頭悪そう…という残念さ。特に主人公は進路の件で何も解決していない。頭いいんだから将来的に大学出て良い就職先探したほうが親孝行出来るとは考えられないんだろうか…?

 

特にラストでヒロインの親友から預金貰っちゃうのはどうかと思う。重い。やはり25話の尺は足りなかったのかもしれない。

 

追記:

原作者が女性ということで色々腑に落ちる部分がある。家事を全部代理してくれるyesマンな従順犬型主人公。わがままつきまくる暴力薄幸ヒロイン。

 

まぁ、女性作者だから女性しか描けなかったんだろうなぁ…みたいな。男性キャラはみんなキャラ…つまり記号でしかない。女性だけは心理を繊細に描こうと試みられている。繊細というか念入りというか。何というか特有のBLの匂いを感じる。

 

思春期の男なんて性欲過多なもんなのに、あれほど異性に鈍感なのも頭オカシイのである(´・ω・`)その点女性が描く理想の男性主人公というのは大抵性欲に鈍感である。というか性欲的な理由でグイグイくる面を漂白した結果の主人公を描くことが多いように見受ける。自分の中身を見てくれそうな…というか。

 

また、あんな不良コンビで成績優秀というのも無理がある設定である。どう考えてもあの両親から生まれないだろう中身。ラノベもなろうもそうだが、「大人と子供」の意識の差を描く時に作者がそんなに大人じゃないケースが多いので上手くいかないことが多い。大人が何なのか理解していないのに大人を描くことは出来ない。

 

作中、ちゃんとした大人はあまり描かれていない。主人公の親、ヒロインの親は親と言うには欠陥がありすぎる。その結果というか、少ないグループの人間関係がすべてみたいな小宇宙空間を形成している。

 

それぞれのキャラに記号化や無理が垣間見える。主人公は特にヒロインのために作られた設定で個性を殺されている…という見方も出来るし、ヒロインは作者の願望が詰め込まれた結果なのかもしれない。

 

私的には主人公とヒロインのディティールに格差がある気がしてならない。何れにせよ結婚しよう→駆け落ちの流れはあからさまに登場人物の精神的幼稚さを垣間見せる悪手である。

 

主人公は進路の模索の中で母親や教師の意を汲む必要があったと思うし、ヒロインもやはり紙飛行機飛ばしてちゃ不味いと思う。頭良いんだから適当な進路くらい書いとけよ…と思うし、そこは母親の意図を汲んでやれよ、と思う。